やまがた観光まちづくり塾、この一年を振り返り、そして、今後について
山形県では、2006年度、「やまがた観光まちづくり塾」をスタートさせました。
もともとの発想は、観光まちづくりの分野での人材育成でしたが、事前に県内各所の方たちにお会いして、「人材はすでにいる。この人材の交流力を高めることでさらに実践力をもった大きな力になるのではないか」との思いをもち、こういった視点も取り入れ、地域を客観的に認識しまちづくりの行動に結びつけるための場にするために、塾長や講師の皆さん、地域の皆さんのご支援をいただき、この1年がすぎました。
まち歩き、そして毎回設定したテーマにあった第一人者によるレクチャーとディスカッション、交流会を重ね、さまざまな出会いや発見があったと思いますし、そのことが行動力につながってきだしていると思います。
もちろん知恵の蓄積も大切です。観光はややもするとふわふわした話になりがちな分野ですが、しっかりとした理論は大切だ、という問題意識もあり、講師にもそういった視点でのお願いもしました。
・開塾式 7月11日
・庄内地区 8月26日から27日 酒田鶴岡のまち歩き
講師:宮城俊作氏(奈良女子大学教授)「まちづくり事始―景観と街の活力について」
・最上地区 10月24日 金山町 肘折温泉(大蔵村)まち歩き
講師:甲斐賢一氏(別府鉄輪温泉)「人づくり まちづくり」
・置賜地区 11月12日 白鷹町、高畠まち歩き
講師 小川原格氏(小樽 藪半社長)「知恵を生かしたまちづくりと官民協同の情報発信」
・村山地区 2007年1月21日 山寺、天童まち歩き
講師:宮城俊作氏 「街の心を表現するー風情と佇まいのデザイン」
・終了式 3月23日 特別カリキュラム「おらほが一番!PRコンテスト」
そして、うれしいことに、この1年間で、「人と人、地域と地域をつなげることでこんなに広がるのか。こんなにみなが元気になるのか」と、塾を企画した私たちの想定をはるかに超えた、人と人との化学反応がおきたと思います。公務員冥利に尽きます。
塾生自らホームページの立ち上げ運営(http://yamagata.ojaru.jp)、ML(メーリングリスト
YKMJ@googlegroups.com
登録が必要)による情報交換のはじまり、など、つながるプラットフォームも出来上がりいろいろなやり取りがスタートしていますし、それぞれの地域が新しい取り組みを始めるきっかけになり、またその際の知恵や情報の交換によりそれに拍車がかかる状況は、これからの実践を進めていく上でとても心強いです。
さらに1年目終了に当たって、塾生自らの企画で「山形@人」を自主制作してくれました。この本は塾生自らが「塾で参加して考えたことを本にしよう」と企画から出版、販売まで(赤字覚悟で)すべてしていただきましたが、タイトルが示すとおり、山形には元気ある人が居る、すでに名を上げている人もそうでない人も。そして、外から山形を応援してくれている人もいる、こういう人たちが入り混じって山形を生き生きと輝かせている、ということを感じていただけるのではないかと思います。たくさんの方にごらんいただければと思っております。
今年度も塾は続きます。さらなる展開をめざして。
現在のところの予定
第1回
日時:7月23日周辺
場所;庄内地域、遊佐・鳥海周辺
講師:桑野和泉氏 由布院玉の湯社長 ツーリズム大分会長
テーマ:自然を生かした文化
第2回
日時:8月28−29または9月4−5日
場所:月山志津温泉
講師:島康子氏 青森県大間市 あおぞら組
テーマ:何もないところに光あり
こういった場を通じて、さらに、ネットワークが広がり、新しい取り組みが広がっていくこと、それを仲間たち(新しく加わる仲間ももちろん県の内外や職業などの壁のない)と一緒にすすめていきたいと思っております。
どうか引き続きよろしくお願い申し上げます。
山形県副知事 後藤靖子
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